保存温度帯変更とは?冷凍から解凍して販売するときの注意点

  • 2026.5.12
  • 2026.5.12

「冷凍で仕入れた小売商品を解凍して販売する」——そんなとき、一括表示に「保存温度帯変更のシール」貼り付ける必要があることをご存じですか?

この記事では、保存温度帯変更とは?どんなときに必要か実際のシールに何を書けばいいかをわかりやすく解説します。

重要:冷凍で納品された一括表示が印字された小売用商品を、解凍して冷蔵や常温に変えて販売するときは、保存温度帯変更のシール表示が必要です。

1. 保存温度帯変更とは?

保存温度帯変更とは、食品が納品されたときの保存温度と異なる温度帯で販売することを指します。

たとえば、こんなケースが該当します。

  • 冷凍(-18℃以下)で仕入れた商品を、解凍して冷蔵(10℃以下)で販売する
  • 冷凍で仕入れた商品を、解凍して常温で販売する


食品表示のルールでは、消費者に渡る時点での保存状態に合わせてラベルを作成しなければなりません。冷凍のまま渡すなら冷凍用の一括表示でOKですが、解凍して別の温度帯で販売するなら、それに合わせた表示に変える必要があります。

この「温度帯を変えて販売する人(事業者)」のことを、食品表示上「保存温度帯変更者」と呼びます。

2. どんなときに保存温度帯変更が必要?

一括表示の記載のある、小売商品の場合、冷凍商品を仕入れて解凍して販売する場合、保存温度帯変更のシール表示が必要になります。

ケース① 冷凍納品→冷蔵で販売

冷凍品を仕入れて、解凍し、冷蔵ケースに並べて販売するケースです。

ケース② 冷凍→常温で販売

冷凍品を仕入れて、解凍し、常温で販売するケースです。

冷凍のまま販売する場合は変更不要

消費者に冷凍のまま販売する場合は、保存温度帯変更にはあたりません。冷凍販売用のラベルをそのまま使用できます。

3. 保存温度帯変更のシール表示例

保存温度帯変更のシール表示の明示方法、記載方法を説明します。

消費期限/賞味期限・保存方法・保存温度帯変更者の明示方法

3点の記載内容を商品にシール等で添付する必要があります。

  1. 消費期限/賞味期限
  2. 解凍後の保存方法
  3. 食品の保存温度帯を変更者、所在地

記載方法

  • シール貼付
  • スタンプ
  • 印字


よくある間違い:冷凍時のラベルに「保存温度帯変更者:〇〇店」とシールを1枚貼るだけでは不十分です。保存方法と期限表示も同時に変更しなければなりません。

4. 消費・賞味期限表示の付け方

保存温度帯を変更すると、食品の劣化するスピードが変わります。そのため、冷凍時の賞味期限をそのまま使うことはできません。

なぜ期限が変わるのか

冷凍(-18℃以下)では微生物の増殖がほぼ止まり、品質が長く保たれます。しかし冷蔵(10℃以下)や常温になると、微生物が活動しやすくなり、品質が落ちるスピードが一気に速くなります。

消費期限と賞味期限の使い分け

期限の種類意味表示対象(概念)
消費期限この日までに食べれば安全、という期限5日以内
賞味期限この日までおいしく食べられる、という期限期限表示を表示する食品であって消費期限を表示する食品以外の食品

NG:「冷凍時の賞味期限 2025.03.31」をそのまま解凍後の期限として記載する → 不正表示です

5. 保存温度帯変更者の責任とは

保存温度帯変更者とは、温度帯を変えて販売することを決めた事業者(販売店)のことです。仕入れて販売する店舗が該当します。

保存温度帯変更者には、以下の責任があります。

  • 保存温度の表示:変更後の正しい保存方法をラベルに記載する
  • 期限表示の設定:解凍後の状態に合わせた消費期限または賞味期限を設定・記載する
  • 自店の情報記載:屋号・住所・電話番号をラベルに記載する
  • 温度管理の実施:表示した保存温度を実際に守って管理する

##表示責任者(製造者・加工者・販売者)の考え方についてはこちらもご参照ください。

6. よくある間違いと注意点

間違い① 「保存温度帯変更者」の記載だけでOKだと思っている

保存温度帯変更者の名前・住所を書くだけでは不十分です。保存方法と期限表示も同時に書き直す必要があります。3点セットで対応してください。

間違い② 冷凍時の賞味期限をそのまま転記する

冷凍時に印字されている賞味期限は、あくまで冷凍状態での期限です。解凍後は別途、販売状態に合わせた期限を設定・記載してください。

間違い③ 期限シールだけ貼って、保存方法は冷凍用のまま

「要冷凍(-18℃以下)」と書かれたまま冷蔵ケースに並べると、表示と実態が一致しません。保存方法の文言も必ず変更してください。

間違い④ 「すぐ売れるから冷凍ラベルのままで大丈夫」

販売時点での状態が基準です。解凍済みで冷蔵ケースに並んでいる時点で、冷凍ラベルのままでの販売は食品表示法違反となります。

7. よくあるご質問(FAQ)

Q1. 冷凍で仕入れた商品をすべて解凍後販売用にする必要がありますか?

A. いいえ。消費者に冷凍のまま販売するのであれば、冷凍販売用のラベルのままで問題ありません。解凍して別の温度帯で販売するときだけ、変更が必要です。

Q2. 解凍後の期限は自分で決めていいですか?

A. 販売店側で設定する必要がありますが、根拠のない期限設定は避けてください。商品ページの解凍後の消費・賞味期限を確認して日付を記載してください。

Q3. 委託販売でも保存温度帯変更のシール表示は必要ですか?

A. はい。販売方法にかかわらず、消費者に渡る時点での状態に合わせた表示が必要です。委託販売であっても、表示責任はラベルに記載された事業者にあります。

まとめ|保存温度帯変更とは?

保存温度帯変更とは、冷凍で仕入れた商品を解凍して別の温度帯(冷蔵・常温)で販売することです。このとき、シールには次の3点を必ず記載してください。

記載が必要な項目内容
① 保存方法変更後の保存温度帯(例:要冷蔵(10℃以下)、直射日光を避けて常温保存)
② 期限表示解凍後の状態に合わせた消費期限または賞味期限(冷凍時の期限はそのまま使えない)
③ 保存温度帯変更者販売店の屋号・住所


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この記事を書いた人

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渡邊 友佳子

2020年なごみやに入社。前職では銀座あけぼのにて16年間、和菓子・米菓の商品企画を担当。東京製菓学校卒業後、茗荷谷「一幸庵」にて3年間修業。TORAYACAFE勤務。プライベートでもお菓子が大好きです。<資格>製菓衛生士、表示検定中級