ジェラート屋の開業に必要な手続きや開業費用、必要な資格、ジェラートの販売で利益や出やすいポイント、ジェラートの販売方法を解説します。仕入れて販売できるジェラートもご紹介します。
ジェラートの販売で利益が出やすい3つの理由
ジェラートの販売で利益を上げる3つの理由は、低ロス率と効率的な在庫管理、人件費の抑制、そして高付加価値の商品としての販売できることです。
低ロス率と効率的な在庫管理
ジェラートは長期保存が可能であり、在庫の管理が比較的容易です。また、空気を含まない独特の質感から、ジェラートの廃棄ロスは他のアイスクリームよりも少ない傾向があります。これにより、効率的な在庫管理を行うことで、コストを最適化し利益を最大化することができます。
人件費が抑えられる
ジェラート店の人件費は他の飲食店と比較して比較的抑えられます。製造工程が簡素化され、必要な従業員数が少ないため、効率的な運営が可能です。オーナー自らが作業に参加することも一般的であり、需要に応じて臨時のパートタイムスタッフを雇用することで、季節の変動にも柔軟に対応できます。
高付加価値商品として販売できる
ジェラートは高品質な材料と伝統的な製法で作られることが多く、その味わいや質感は他のアイスクリームよりも高い評価を受けます。材料のこだわりを伝えたり、トッピングのアレンジで高付加価値商品として販売しやすい商品です。
ジェラート屋や開業に必要な資金
ジェラート屋の開業資金は、店舗の規模や立地、取り扱う商品の種類や品質、経営方針によって異なります。一般的には数百万円から数千万円の投資が必要となります。
店舗費用
店舗の賃料や敷金、礼金などの初期費用が必要です。また、内装や装飾、家具・備品の購入も含まれます。
設備・機器
ジェラート屋を開業する際には、設備や備品にかかる費用が重要です。具体的には、ジェラート製造機、冷凍庫、ディスプレイケースなどの設備の購入やレンタル費用が挙げられます。さらに、調理器具や器具、店内の家具やインテリア、包装資材などの備品にも費用がかかります。これらの費用は品質やブランドによって異なりますので、予算をしっかりと立てて必要な設備や備品を選定することが重要です。
原材料
ジェラートそのものを仕入れて販売する原材料コスト。製造する場合には、ルーツ、ミルク、砂糖などの材料の仕入れにかかる費用が含まれます。
労務費
スタッフの給与や社会保険料、労働条件にかかる費用が含まれます。開業初期には研修費用も考慮する必要があります。
広告宣伝費
ジェラート屋の開業における広告や宣伝費用の見積もりは重要です。具体的には、フライヤーやポスターの印刷費用、ウェブサイトやSNSの制作費用、看板やパンフレットの作成費用などが含まれます。また、広告代理店への料金や宣伝イベントの費用も考慮されます。開業前後の広告活動は集客に大きく影響するため、予算をしっかりと確保し、効果的な広告プランを立てることが重要です。
ジェラート屋の開業に必要な資格とは
ジェラート屋を開業するには、食品衛生責任者や飲食店営業許可が必要です。アイスクリーム類製造業許可は製造する場合に必要です。
食品衛生責任者
ジェラート店を開業する際には、食品衛生責任者の講習を受講し、修了証明書を取得する必要があります。この講習は保健所などが主催し、食品衛生に関する基本的な知識や衛生管理の重要性について学びます。ただし、医師や調理師、栄養士などの特定の資格を持つ場合は、この講習を免除されます。
飲食店営業許可
ジェラート屋を開業するには、飲食店営業許可を取得する必要があります。この許可を得るには、以下の条件を満たすことが求められます。
- 必要な設備が整っていること
- 食品衛生責任者がいること
食品衛生責任者は、開業時点で必ずしも必要ではなく、後から設置することも可能です。ただし、設置することを約束する書類の提出が求められる場合もあります。
アイスクリーム類製造業許可(製造する場合には)
アイスクリーム類製造業は、現行どおりアイスクリーム、アイスシヤーベツト、アイスキヤンデーその他液体食品又はこれに他の食品を混和したものを凍結させた食品を製造する営業とする。
施設基準が細かく設定されているため、こちらに従う必要があります。
ジェラートの販売を成功させる上で大事なポイント
ジェラート店の成功の鍵は、美味しさ、コンセプト、そして立地にあります。ジェラートの美味しさは、濃厚でクリーミーな味わいと新鮮な素材によるもの。コンセプトは独自性を打ち出し、立地は集客を考慮して選ぶ必要があります。

美味しさ
ジェラートはクリーミーで濃厚な味わいが特徴であり、アイスクリームよりも空気を少なく含むため、より濃密な口当たりです。また、ジェラートにはアイスクリームよりも少ない量の乳脂肪が含まれていますが、代わりに果物やチョコ、ナッツ、コーヒーなどの素材味わいを鮮明に感じられてジェラートの美味しさが際立ちます。
果物へのこだわり、素材の組み合わせ、濃厚さ、なめらかさなどで美味しさが評価されます。
コンセプト
アイデアを書き出して「どんなジェラートを提供するのか」をコンセプトとしてまとめていきます。
開業する方、ジェラートの提供にチャレンジする方もコンセプトが必要です。地方の特色を出して観光客にアピールする、地元の人に来てもらうジェラート店、健康志向の材料にこだわったジェラートなど、コンセプトによって戦略が異なります。
アイデアは5W1Hに沿って書き出していきます。
why なぜ:開業の目的
who だれに:ターゲットのお客様
where どこで:開業する場所
when いつ:営業時間
whatなにを:商品、提供する商品の特徴
how どのように:提供方法、販促方法、サービス
アイデアの整合性を整えて、コンセプトとしてまとめていきます。
やりたいことが明確になり物件、店舗デザイン、商品展開も軸からぶれずに考えていくことができます。
また、やらないことも決めておくことも大切です。
立地
ジェラート屋として成功するためには、まずはお店の「立地選び」が重要です。駅周辺やショッピングモール、通行量の多い幹線道路沿いなど、多くの人が集まる場所が理想的です。また、牧場や観光地など、地域ならではのコンセプトを活かせる立地も魅力的です。地域の特色や観光地の周辺でジェラート屋を展開することで、地域の魅力を引き立てることができます。
さらに、売上の減少が予想される寒い季節には、アイスクリームとは別に温かい飲み物やクレープなど、季節や需要に合わせた代替商品を販売することが重要です。これにより、売上の安定化や新たな顧客の獲得につながるでしょう。
ジェラートの保存、販売方法
納品後は冷凍庫で保管
納品後は速やかにバルクを箱から取り出し、冷凍庫に入れます。

ジェラートをなめらかに仕上げる練る作業
練る作業を加えるとジェラートの風味が増し、滑らかで柔らかい美味しいジェラートが出来上がります。冷凍庫から出して3分ほど待つとジェラートの周りが少し溶けた状態で練りやすくなるので、その間にステンレス製のバットとヘラ(スパチュラ)を用意します。

ジェラートの周りにヘラを入れてバットに空けます。
※プラスチックのバルクのまま硬いヘラで練ると、バルクを削ってプラスチックの破片がジェラートに混入してしまう恐れがあります。

まずはジェラートにヘラをさして切っていきます。

バットが動いたり倒れたりしないようにしっかり押さえ、ひねり潰しながら練るイメージでジェラートを練っていきます。

なめらかになれば練る作業は終了です。

練った後のジェラートの保管方法
ジェラート専用のショーケースがない場合は、以下のような保管方法になります。

① 丁度良い温度設定の冷凍庫室を用意する。
-18℃に設定した冷凍庫に保管すると、硬すぎず、溶けない丁度良い状態で保管ができます。ただし、長く入れっぱなしだと硬くなってしまうので、たまに取り出して練る必要があります。
② 冷凍庫と冷蔵庫を行き来させる。
-22℃以下の冷凍室しか用意できない場合は、冷凍庫に何分、冷蔵庫に何分というように交互に保管して丁度良い柔らかさを保ちます。こちらもやはり一定のタイミングでジェラートの状態を確認する必要があります。
その日練ったジェラートが余った場合は、翌日まで使用できるので-22℃以下の冷凍庫に戻します。翌日使用する際は、練り直しが必要です。
盛り付け方法
提供前にバットの隅でもう一度練ってなめらかにしてから盛り付けます。

カップ、コーンの2パターンでの販売方法が一般的です。

カップに盛り付けたアイスにコーン等をトッピングする盛り付け。

カップすりきりにアイスを入れ、蓋をしてテイクアウト向け販売。

業務用で仕入れ可能なジェラート
素材を活かした37種類の本格ジェラート

バルクサイズ:2L
配送ロット :1ケース6本
主に牛乳や生クリームを使用して、脂肪分0 ~ 6%のジェラート基準で製造したイタリアンジェラートです。
おすすめ業態:外食店、カフェ・喫茶店、ホテル・旅館
ジェラート売上ランキング
1位:ピスタチオ

イタリアシチリア産100%のピスタチオです。ピスタチオは世界各地にありますが、その中でもイタリアのシチリア産は別格の品質と言われています。女性に人気のピスタチオですが、最近では男性も好んでピスタチオを選び、今ではジェラートを代表する大人気メニューとなりました。
2位:ラムネ

誰もが良く知る「ラムネ」のジェラートです。子どもに人気のジェラートですが、子どもだけでなく大人の皆さまからも高く評価されています。最大のポイントはラムネ菓子そのものがジェラートに含まれている事。ラムネ菓子そのものがジェラートと食べたときにも硬すぎず、ボソボソせず、多すぎず少なすぎず、と絶妙なバランスのある、夏の風物詩ラムネジェラートです。
3位:マンゴー

インドで行われるマンゴー品評会で何度も受賞経験のある農園のアルフォンソマンゴーを使用しています。弊社の創業以来お客様から絶大な評価を頂いている代表メニューです。
4位:チョコチップ

イタリアの由緒あるチョコレート菓子屋のクーベルチュールのチョコレートを使用しています。甘さを抑え、チョコレートらしさを前面に出すクーベルチュールは、ベースのミルクジェラートとの相性が素晴らしい一品です。チョコレートチップの存在感がしっかりして、且つくちどけはとても滑らかでジェラートのくちどけと絡み合います。
5位:ラムレーズン

長い時間をかけて漬け置き熟成した自家製のラムレーズンを使用しています。ラムレーズンは漬け置きの時間の変化で風味感の良し悪しに繋がります。ラムレーズンのフレーバー感となっているミルクジェラートとの相性をお楽しみください。