お菓子・スイーツ・和菓子分野では、OEMによる製造委託を活用する企業が増えています。オリジナル商品の開発や小ロット製造、製造コストの最適化などを目的に、多くのBtoB事業者がOEMを導入しています。新規商品の企画や既存商品の安定供給、製造キャパ不足、利益率やコストの課題など、OEMはさまざまな現場課題を解決する手段として注目されています。本記事では、お菓子OEMの基本的な仕組みから、委託の流れ、費用やロット、オリジナルお菓子の開発のポイントまで、実際の事例を交えて解説します。

OEM(Original Equipment Manufacturer)とは、他社ブランドの商品を製造する仕組みのことです。お菓子OEMでは、自社で製造設備や製造ノウハウを持たない企業が、食品メーカーや専門工場に製造を委託する形が一般的です。
近年では、NB(ナショナルブランド)商品の製造だけでなく、
・オリジナル商品開発
・小ロット・多品種対応
・地域限定商品の企画
など、OEMの活用範囲が広がっています。
OEMの主なメリットには次のようなものがあります。
・初期投資を抑えられる
・製造キャパを拡大できる
・品質の安定化
・商品開発スピードの向上
食品OEMは、委託方法や製造体制、開発プロセスなどの面で多様化が進んでいます。

以前は自社で売る商品はすべて自社でつくっていましたが、自社製造販売を減らしていけば売上は比例して下がっていきますが、以下のように他社に製造委託して商品供給することができ、売上を維持できたり、逆に新しいチャネルに販路を広げて売上を増やすこともできます。
はじめてお菓子・スイーツをつくろうとした場合、商品開発のノウハウや人材、設備の投資が必要となり、かなり時間もかかるのが普通ですが、OEMによりすでにノウハウや設備をもっている他社に製造委託することで商品化でき販売することができます。
食品メーカーや専門工場に製造を依頼することで
・設備投資を抑えながら商品開発ができる
・専門技術を活かした商品製造が可能
・品質管理体制を活用できる
といったメリットがあります。
例えば
・冷凍和菓子
・特殊な製造工程が必要な洋菓子
・機能性スイーツ
などは、自社で設備を整えるよりOEMを活用する方が効率的な場合もあります。
自社の製造キャパが人材不足や設備的に上限に達しているにもかかわらず、売上が伸びていたり、新しい取引先やチャネルからの引き合いに対応する場合、OEMにより商品供給量を増やすことができます。
このような場合、OEMを活用することで
・商品供給量の維持
・新規商品の追加生産
・季節商品の増産
などが可能になります。
職人の引退や機械の老朽化により製造できなくなったり、販売量が減って採算があわなくなってきて終売にしたくてもお客様からの要望が多い場合には、OEMにより販売を継続することができます。
そのような場合、OEMを利用することで
・製造コストの最適化
・製造負担の軽減
・商品供給の継続
などが可能になります。

得意先から注文の数量を増やしたい、新規の取引先から仕入れたい要望がきているにもかかわらず、自社の製造キャパが上限に達しているため、安易に注文を断ってしまうと、対応可能な競合に注文が流れたり、類似品がでてくることがありますが、OEMにより供給体制を自社+OEMで対応することで、自社で増産投資を行うよりも早く、既存・新規から注文に対応でき、売上を伸ばすことができます
製造が不得意な商品を委託できることで、自社では製造効率の高い得意な商品の製造に集中することができ、選択と集中により、全体の生産性や製造利益をあげることができます。また製造が苦手であったり、製造機能をもっていなくても、OEMにより製造✕販売のパートナー体制を構築できることで、役割分担でき、ブランディング営業販売に特化することができます。
新たに製造ノウハウを習得して設備を投資してまで新商品を製造するべきか、簡単に判断することは難しいのですが、OEMによってまず商品化して市場で売ってみることができます。自社で投資するよりもはるかに低いコストでテストマーケティングすることができます。その結果、見込みより低かったとしても、OEMの製造ロットの条件をクリアできれば、販売を継続でき、売上を確保することができます。

OEMにはメリットだけでなく、注意点もあります。
主なリスクは以下です。
・利益率が下がる可能性
・製造ノウハウの流出
特にオリジナル商品の場合は秘密保持契約を結ぶこともあります。
OEMにより製造委託する場合、自社で製造できた場合に得られる製造利益がなくなり、販売利益のみとなるため、通常利益率が低くなります。ただ、流通チャネルの変化や高いブランド価値により、高い売価でも売ることができる場合、製造+販売のトータルの利益率を維持できたり、高くできることもあります。
自社の製造商品と全く同じ規格で製造委託する場合、自社の材料配合レシピや製造ノウハウを開示することになりますが、製造委託終了後に製造会社が同一もしくは類似商品を製造販売するリスクがあるため、OEMの諸条件について事前に取り決めをしておき、必要な場合は契約を締結しておくことをおすすめします。

当社のほうで御社のつくりたい商品の製造が得意な工場を選定します。工場にご希望の商品スペックの情報をお伝えした上で、製造可能かどうか確認し、製造可能であれば、概算見積を算出します。(取引条件含む)また、たたき台となるNB商品にて品質の確認も行っていただきます。
NB商品での品質確認、製造販売の諸条件が検討範囲内であることを双方確認の上、商品開発試作をスタートします。納得のいく商品ができあがるまで、改善試作を繰り返します。
品質・価格ともに合格ラインに達しましたら、最終的に決定した商品スペックでの各種検査、工場ラインでの製造テスト※、改善試作を反映させた正式見積等の条件について最終確認いたします。※手づくりの開発試作と本製造で差が大きくなる場合は、工場ラインでの製造テストを行います。(有償)

製造委託していた大福の製造元の製造キャパが上限に達してしまい、数量を制限して販売せざるを得ず、新しい取引の引き合いがきても断っていました。そこで、今後売上を伸ばすためにより製造能力の高いメーカーで現行品の品質にあわせた商品開発を行い、品質を維持しながら量産化することができ、結果、新しい卸売先も増やしても問題ないほど売上数量を伸ばすことができました。

焼き菓子として人気のあるバウムクーヘンを自社で製造することを検討していましたが、多額の投資がかかるため、製造委託を選択しました。地元で採れるフルーツのペーストを自社で製造し、バウムクーヘン工場に送り、オリジナルのバウムクーヘンを製造してもらっています。カットバウムとホールの2種類で、自家用から手土産まで売り場を展開することができました。

地元で生産しているフルーツをつかったゼリーをつくって名産菓子として売ることができないか検討しており、はじめは自社で試作しても美味しさが安定せず、賞味期限を長くするには特殊な機械の投資が必要となり、商品化を断念していましたがもともとゼリーを製造しているメーカーにOEMを打診し、試作を重ね、商品化に成功しました。
OEM可能とホームページで説明しているメーカーであっても、基本的なOEM条件を知らないまま打診したり、これまで取引がなかったりするとメーカーに断られることがほとんどだと思います。なごみやでは、オリジナル商品の企画開発OEMを行っており、通常のNB品の卸売取引を通じてOEMの実績があるメーカー様とマッチングしています。クリアすべきOEMの諸条件がありますので、まずはなごみやにご相談ください。